控除率とオーバーラウンド — 期待値の出発点はマイナスから

公営競技の分析を数字で始めるとき、最初に直面する事実がこれです: 何も考えずに賭け続けた場合の期待値は、控除率のぶんだけ確実にマイナス。ここを直視するところから、まともなデータ分析が始まります。

控除率とは

主催者が賭け金プールから差し引く割合です(払戻率の裏返し)。

競技控除率(単勝系のめやす)払戻率
競艇約25%約75%
競輪約25%約75%
中央競馬(単勝・複勝)約20%約80%

参加者全体で見ると、投じた100円は平均して75〜80円になって戻ります。これは誰かの技術で消えるものではなく、ゲームの参加費です。

オーバーラウンド — 暗黙確率の合計は100%を超える

オッズの逆数(1÷オッズ)を「暗黙確率」と読むと、全出走者ぶんを合計したとき100%ちょうどにはなりません。控除のぶんオッズが低めに出るため、合計はおよそ 1 ÷ 払戻率 — 払戻率75%なら約133% — になります。この超過分がオーバーラウンドです。

正規化: pi = (1/オッズi) ÷ Σj(1/オッズj)

市場の確率分布として扱うには、上のように合計1へ正規化します。この計算には全出走者のオッズが必要です。勝者1人のオッズだけでは市場の分布は復元できません — データ収集の設計に直結する重要な性質です。

期待値の式で見る

期待値 = 真の勝率 × オッズ − 1

市場の読み(正規化後の暗黙確率)が真の勝率と完全一致しているなら、どの出走者に賭けても期待値は −控除率 で一定です。期待値がプラスになる可能性があるのは、自分の確率推定が市場より正確な場合だけ。だから koei-ai は「市場より正確か」を測る edge を唯一の判定基準にしています。

よくある誤解:「控除率が高いから勝てない」ではなく「控除率ぶんのハンデを、確率推定の精度差で上回れるか」が正しい問いです。そして上回れているかどうかは、感想ではなく検証(out-of-sampleのedge測定)でしか分かりません。

koei-ai は、確率とその根拠、市場との差(edge)まで公開する分析ツールです。

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