公営ギャンブルの控除率・還元率 比較一覧【競馬・競輪・宝くじ】— 一次情報で比較する決定版リファレンス

競馬・競艇・競輪・オートレース・宝くじ・スポーツくじ(toto/BIG)は、それぞれ「胴元の取り分」の割合が異なります。これを控除率、その裏返しで購入者に払い戻される割合を払戻率(還元率)と呼びます。この記事では、各種目の控除率と還元率をすべて公式・一次情報で裏取りして一覧化しました。数字を知ることは、攻略法ではなく「仕組みを理解して距離感を保つ」ためのリテラシーです。

本記事は情報提供・リテラシー教育を目的としたもので、投票を推奨するものではありません。掲載する数値は各主催者の公式発表・根拠法令にもとづく参考情報であり、的中や利益を保証しません。運用上の払戻率は年度・主催者・端数処理により変動する場合があります。公営競技・宝くじ・スポーツくじの投票券・くじは、いずれも20歳未満の方は購入できません。投票は無理のない範囲で行ってください。

控除率と還元率(払戻率)とは

公営競技やくじはパリミュチュエル方式(参加者の賭け金を集め、控除後に的中者へ分配する方式)を基本としています。売上のうち払戻に回らない部分が主催者の取り分で、これが控除率です。

還元率(払戻率) + 控除率 = 100%
例) 還元率 75% のとき 控除率 = 25%

控除率は主催者の運営費や公益への納付金などの原資になります。重要なのは、控除率が存在する限り、参加者全体で見た期待値は必ずマイナスだという点です。控除率の考え方は「控除率とオーバーラウンド」でも詳しく解説しています。

一覧表 — 種目別の控除率/還元率

数値は各主催者の公式発表および根拠法令にもとづきます(2026年7月時点)。宝くじ・スポーツくじは券種ではなく年度の実績(当せん金率)を掲載しています。

種目 控除率 払戻率(還元率) 根拠・出典
中央競馬(JRA) 20.0〜30.0% 70.0〜80.0% 券種で異なる(下表)/競馬法・JRA公式
地方競馬(NAR) 20.0〜25.0% 75.0〜80.0% 主催者・券種で異なる(単複80.0%)/競馬法・地方競馬情報サイト
競艇(ボートレース) 25.0% 75.0% モーターボート競走法/BOATRACE公式
競輪 25.0% 75.0% 自転車競技法/JKA
オートレース 30.0% 70.0% 小型自動車競走法/オートレース公式
宝くじ(ジャンボ等) 約53.5% 約46.5% 当せん金率・令和6年度/当せん金付証票法・宝くじ公式
スポーツくじ(toto/BIG) 約50.4% 約49.6% 当せん金率/スポーツ振興投票法・総務省資料

※ 公営競技の払戻率は「売上金に対する法定の払戻に回す割合」、宝くじ・スポーツくじは「売上に対して当せん金として支払われた割合(実績)」で、算定の考え方が一部異なります。宝くじ・スポーツくじの残余は当せん金以外(収益金・経費等)に充当されます。

中央競馬(JRA)の券種別 還元率

JRAでは2014年6月7日以降、勝馬投票法(券種)ごとに払戻率が定められています。当てやすい単勝・複勝ほど還元率が高く、的中が難しく高配当になりやすい券種ほど控除率が高い設計です。

券種 控除率 払戻率(還元率)
単勝20.0%80.0%
複勝20.0%80.0%
枠連22.5%77.5%
馬連22.5%77.5%
ワイド22.5%77.5%
馬単25.0%75.0%
三連複25.0%75.0%
三連単27.5%72.5%
WIN530.0%70.0%

出典: JRA「6月7日(土)以降の勝馬投票法ごとの払戻率について」/改正競馬法。地方競馬も競馬法(払戻率70〜80%の範囲)にもとづき主催者が券種別に設定するため、値は主催者により異なります(単勝・複勝は80.0%が一般的)。地方競馬は競馬場ごとに主催者が分かれている点が中央競馬との大きな違いで、AI予想の観点からの影響は「地方競馬でもAI予想は使えるのか?」で解説しています。

なぜ「長期的には控除率分マイナスに近づく」のか

1回ごとの結果は運に大きく左右されますが、試行回数を重ねるほど平均的な収支は理論値に収束していきます。これは確率論の大数の法則と呼ばれる性質です(詳しくは「短期の成績はなぜアテにならないのか — 大数の法則と分散のきほん」で解説しています)。控除率が25%の種目を長く続ければ、平均的な払戻は賭けた総額のおよそ75%に近づき、差し引き約25%が構造的な目減りになります。

さらに見落としがちなのが、控除が掛け算で積み重なる点です。総務省の資料でも、1日に複数レースを賭けると期待値が下がることが指摘されています。たとえば還元率75%の勝負を3回続けると——

75% × 75% × 75% = 42.2%

——理論上の期待値は42.2%まで低下します。総務省の試算でも、この値は宝くじの当せん金率(45.7%)を下回るとされています。「回転させるほど有利」という感覚は、控除率の仕組みの上では成り立ちません。短期の勝ち負けで予想の良し悪しを判断できない理由は「回収率を上げる考え方 — 的中率との違いと資金管理」でも解説しています。

税の扱いは種目で異なる

還元率の数字だけでなく、当せん金・払戻金にかかる税の扱いも種目で違います。総務省の比較資料によると、宝くじとスポーツくじ(toto/BIG)の当せん金は法律で非課税です(当せん金付証票法第13条、スポーツ振興投票法第16条)。

一方、公営競技(競馬・競艇・競輪・オートレース)の払戻金は一時所得として課税対象になり得ます。表面上の還元率が近くても、実効的な手取り(実効還元率)はこの税制の違いでも変わります。個別の申告要否や計算は、国税庁や各主催者の案内を確認してください。

数字をどう受け止めるか — リテラシーの視点

控除率の一覧が示すのは、「どの種目も、参加者全体で見れば主催者の取り分ぶんだけマイナスからのスタートになる」という共通の事実です。これは特定の種目を否定するものでも、逆に「控除率が低いから有利」と勧めるものでもありません。

よくある質問

控除率と還元率(払戻率)の違いは何ですか?
控除率は売上のうち払戻に回らない胴元(主催者)の取り分の割合、還元率(払戻率)は購入者へ払い戻される割合です。両者を足すと必ず100%になります。たとえば還元率75%なら控除率は25%です。
控除率がもっとも低い(還元率が高い)のはどれですか?
公営競技・くじの中では、中央競馬(JRA)と地方競馬の単勝・複勝が還元率80.0%(控除率20.0%)でもっとも高い水準です。逆に宝くじは還元率が約46.5%(令和6年度)ともっとも低く、スポーツくじ(toto/BIG)も約50%です。
同じ競馬でも券種によって還元率が違うのですか?
はい。JRAでは2014年6月7日以降、勝馬投票法(券種)ごとに払戻率が定められています。単勝・複勝が80.0%ともっとも高く、馬連・ワイドは77.5%、馬単・三連複は75.0%、三連単は72.5%、WIN5は70.0%です。
控除率があると長期的にはどうなりますか?
控除率が存在するため、参加者全体の期待値は構造的にマイナスです。試行回数を重ねるほど、平均的な収支は「賭けた総額×控除率」ぶんのマイナスへ近づいていきます(大数の法則)。さらに1日に複数レースを買うと控除が掛け算で積み重なり、期待値はさらに下がります。
当せん金や払戻金に税金はかかりますか?
扱いが異なります。宝くじとスポーツくじ(toto/BIG)の当せん金は法律で非課税です。一方、公営競技(競馬・競艇・競輪・オートレース)の払戻金は一時所得として課税対象になり得ます。税制の詳細は国税庁や各主催者の案内を確認してください。
ご利用にあたって — 本記事および本サイトの提供する情報は分析・学習を目的とした参考情報であり、的中・利益を保証するものではありません。控除率・還元率は年度・主催者・端数処理により変動する場合があります。最新かつ正確な数値は、各主催者の公式サイト・根拠法令を一次情報としてご確認ください。投票の判断と結果の責任はご自身に帰属します。20歳未満の方は投票券・くじを購入できません。無理のない範囲での利用を心がけ、のめり込みが心配な場合は公的な相談窓口をご利用ください。

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